前回は、インストールと音を出す準備を進めました。今回は、実際に曲を作る場所を用意します。ゴールはたくさんの機能を覚えることではなく、ひとつ音を置き、再生して、保存できることです。
対象はStudio Pro 8.1.2.113407/macOS Arm64です。本連載では、同じセッションを第7回まで使います。
1. 「レコーディングとミックス」で新規作成する
- 「ファイル → 新規…」を開きます。
- 「レコーディングとミックス/新規セッション」を選びます。今回はマスタリング用プロジェクトやライブ用ショーは使いません。
- 名前を「はじめての一歩」にします。
- 保存先を、あとで見つけやすい自分の制作フォルダーにします。
- サンプルレートを48.0 kHzにして作成します。
サンプルレートは、音のデータを記録する細かさに関わる設定です。本連載は制作と書き出しを48 kHzで統一します。すでに別の設定で作った曲を、理由なく変更する必要はありません。
2. テンポ84、拍子4/4にする
作成後、画面下のトランスポートでテンポと拍子を確認します。テンポは84 BPM、拍子は4/4に設定してください。BPMは「1分間に何回の拍があるか」を表します。
4/4では「1・2・3・4」と数えて1小節です。84 BPMなら、急ぎすぎず音を置けます。今回の曲では、途中でテンポを変えません。
最初に覚える画面は、4つだけ
| 場所 | 役割 |
|---|---|
| トラック一覧 | ピアノやドラムなど、パートの行 |
| アレンジ画面 | 曲の時間軸。左から右へ進む |
| ブラウザー | 楽器や音色、素材を探す場所 |
| トランスポート | 再生・停止・テンポなどの操作 |
画面の小さい数字を全部理解する必要はありません。まず「どのパートを」「いつ鳴らすか」が見えれば十分です。
3. Presenceでピアノを用意する
- ブラウザーのインストゥルメント一覧を開きます。非表示なら「表示」メニューでブラウザーを表示します。
- Presenceをアレンジ画面の空いている場所へドラッグします。
- Presenceでピアノの音色を選びます。付属のPiano系音色を使い、名前が異なってもピアノの音なら構いません。
- 作られたトラックの名前を「コード」にします。
ここでのトラックは、音符を扱うインストゥルメントトラックです。マイクの音を記録するオーディオトラックとは役割が違います。Presenceは音を出す楽器、トラックには「どの音をいつ鳴らすか」という情報を置きます。
4. 1小節のパートを作る
アレンジ画面の定規で、1小節目の頭と2小節目の頭を確認します。スナップをオンにし、描画ツールを使って「コード」の行を1小節目の頭から2小節目の頭までドラッグし、音符を入れる箱を作ります。これがインストゥルメントパートです。
「1小節を作る」ときの右端は、1小節目の末尾ではなく2小節目の頭です。境界を目印にすると長さを間違えにくくなります。
5. エディターでドの音を1つ置く
- 作ったパートをダブルクリックして、ノートエディターを開きます。
- 鍵盤が見えるピアノ表示を選びます。
- 左の鍵盤をクリックし、中央付近のド(C)を探します。黒鍵2つの左隣の白鍵がドです。
- 横方向は1小節目の1拍目、縦方向は選んだドの位置に音符を置きます。
- 音符の右端を動かし、長さを1拍にします。
本連載の入力例は、中央のドをMIDIノート番号60として扱います。ソフトや設定によってオクターブの数字の呼び方が異なるため、単に「C4」などの表示だけで判断しないでください。高さが違っても、まずはドを1つ鳴らせれば今回の目的は達成です。
横の位置が「鳴るタイミング」、横の長さが「音を伸ばす時間」、縦の位置が「音の高さ」です。この3つが分かると、後の打ち込みも同じ考え方で進められます。
6. 再生して、保存する
再生位置を1小節目の頭へ戻し、再生ボタンを押します。ドの音が鳴れば成功です。音量が大きすぎる場合は、まず聞いている機器の音量を下げてください。
Command+Sで保存します。セッションのファイルだけでなく、そのフォルダー全体をひとまとまりとして管理すると、あとから録音した音声などを見失いにくくなります。終了して開き直し、音符が残っていれば保存も確認できます。
音符があるのに鳴らない場合
- 「コード」トラックの出力がPresenceになっているか
- Presenceにピアノの音色を選んでいるか
- トラックやメイン出力がミュートになっていないか
- 再生位置が音符のある場所を通っているか
マウスで置いた音符を再生するために、録音ボタンを押す必要はありません。音符の入力と、リアルタイムの演奏録音を区別しておきましょう。
今回のチェック
- 「はじめての一歩」を84 BPM・4/4で作成した
- Presenceのピアノでドの音が鳴った
- 保存して、開き直せた
次回は1小節のドラムを作り、8小節に広げます。「コード」トラックの練習用のドは、保存を確認したあとに削除して構いません。トラック自体は第4回で使います。
